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鏡の中の猫

ある村に、休日にはおばあちゃんの家に遊びに行くことが大好きな少年、ケンタがいました。おばあちゃんの家は古いけど、庭には花がたくさん咲いていて、ケンタが大好きな猫のミーちゃんも一緒に住んでいました。

その日は夕方近く、おばあちゃんがケンタに「少しお使いに行ってくるから、お留守番していてね」と言い残して出かけてしまいました。ケンタはいつも通りミーちゃんと一緒に家の中を探検することにしました。古い大きな鏡の前で遊んでいると、ふと何かおかしいことに気づきました。

鏡の中の自分とミーちゃんが、同じ姿勢で動いているはずが、ミーちゃんが少しだけ違う動きをしているのです。ケンタは「ただの気のせいだろう」と思いながらも、やっぱり気になってもう一度よく見てみました。すると、ミーちゃんの瞳がぎょろりと動いて鏡の中からケンタをじっと見つめ返してきました。

「ミーちゃん、何してるの?」

ケンタが話しかけると、鏡の中のミーちゃんは一瞬笑ったように見えました。その時、背後から実際のミーちゃんの「にゃー」という鳴き声が聞こえて、振り返るとミーちゃんは普通にいつも通りの場所にいました。鏡に戻ると、今度は猫の姿が消えていました。

ケンタは少し怖くなり、ミーちゃんを抱きしめて待っていると、おばあちゃんが帰ってきました。ケンタはすぐにおばあちゃんに今日の出来事を話しました。おばあちゃんは優しく笑いながら言いました。

「この鏡はね、ずっと昔からこの家にあるおばあちゃんの宝物なんだ。でも、たまにその鏡の中には本当の姿じゃなくて、不思議なものが映ることがあるのよ。」

その夜、寝る前にケンタはもう一度ミーちゃんを抱きしめ、鏡をじっと見つめました。ミーちゃんもケンタと一緒に鏡を見ていましたが、もう何も不思議なことは起きませんでした。その夜、ケンタはおばあちゃんの昔話を思い出しながら、不思議な鏡とミーちゃんとの楽しい時間を想像して、静かに眠りにつきました。

でも、それ以来、ケンタは鏡に映るミーちゃんの動きを少しだけ気にするようになりました。おばあちゃんの家に行くたびに、その古い鏡の前で遊ぶ度に、ケンタは一瞬、鏡の中のミーちゃんが再び不思議な動きをするのを警戒するのでした。

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