離島小説作成

離島小説作成

離島に訪れた主人公が島の住人と交流する小説を作成する

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離島小説作成

小説作成

冒頭のシーンを書き出して

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高速船のデッキに出ると、風が思ったより冷たかった。

澤田は上着の前を掻き合わせて、手すりに寄りかかる。港を出たときには眩しかった陽が、いつの間にか雲の裏に隠れていた。海面の色が、鉛色に近づいている。

「お客さん、島の方、初めて?」

振り返ると、デッキの隅で煙草を吸っている男が、こちらを見ていた。六十過ぎくらいだろうか。膨らんだ紙袋を足元に置いている。

「ええ、初めてで」

「取材か何か」

「……なんで、わかるんですか」

男は煙を吐いて、少し笑った。

「荷物。カメラ、出とるよ」

澤田は肩にかけたバッグを見下ろした。レンズのフードの先が、確かに少しだけ顔を覗かせている。

「今ごろは、もう観光客は来んから」

そう言って、男は手元の煙草に目を落とした。続きを言うつもりはないらしい。澤田も訊き返さなかった。

船が少し揺れた。遠くに、薄い島影が見え始めている。地図で何度も見た輪郭より、ずっと小さく、頼りない。

「えーと」

言いかけて、やめた。何を訊こうとしたのか、自分でもよくわからなかった。

男は煙草を携帯灰皿に押し付けて、

「潮音荘、か」

と呟いた。澤田が頷く前に、男は紙袋を抱え直して、船室の方へ歩いて行った。


汐凪港の桟橋は、思っていたより狭かった。

降りた客は、澤田を含めて四人。うち二人は段ボールを担いだ島民らしく、迎えに来た軽トラに荷物を積み込むと、挨拶もそこそこに走り去っていった。残ったのは澤田と、さっきの男だけだ。男は待合所の前で立ち止まり、誰かを待つでもなく、ただ海の方を見ている。

待合所の掲示板には、時刻表が貼り直された跡があった。何度も貼り直したのか、画鋲の穴が無数に開いている。〈秋期ダイヤ〉という手書きの文字が、端から少し剥がれかけていた。

「……」

澤田はスマホを取り出した。圏外、ではない。辛うじて一本、電波が立っている。

民宿の女将から届いていたメッセージを開く。

〈港まで歩いて7分です。坂を一つ登ってください。迷ったら誰かに聞けば大丈夫です〉

誰か、という言葉を、澤田は少しの間見ていた。

顔を上げると、制服姿の女子高校生が一人、桟橋の方から歩いてくるのが見えた。背が高い。長い黒髪を、風に少しだけ持っていかれている。すれ違いざまに、彼女は澤田の顔を一瞬だけ見た。見た、というより、視界に入れた、という感じだった。

それから、待合所の男にも、同じ温度で視線を向けて、

「……おかえり」

と、男のほうに言った。男は頷きもしなかった。

彼女はそのまま、今まさに出港しようとしている本島行きの便に乗り込んでいった。澤田は、自分が降りてきたばかりの船を振り返る。出ていく人間と、降りてきた人間。たった今、桟橋の上で、静かにすれ違ったところだった。

船の汽笛が鳴った。

澤田はキャリーケースの持ち手を握り直して、集落の方へ続く坂道に向かって、歩き出した。

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